回転した角度や直線方向に移動した距離などを検出し、電気信号に変換して出力するために、エンコーダーがよく利用されております。エンコーダーには、いくつかの原理が存在しますが、磁気式エンコーダーは、その中の一つです。

磁気式エンコーダーは、検出に磁気を利用しており、一般的なタイプは、磁界の変化を検出する検出部と、目盛りとなるN極とS極が配置されたディスク・テープ等から構成されています。検出部は、ディスク等の磁界に入るように、隣接する形で配置します。ロータリーエンコーダーの場合は、円盤状の磁石ディスクにN極とS極があり、ディスクが回転した際に、検出部でのN極、S極の磁界の強さの変化をアナログ信号で表し、回転角度や回転数などを出力します。例えば、N極とS極が1個ずつのディスクであれば、回転した際に、検出部にN極が近づくと、一定の角度でN極の磁界の強さがピークになり、離れていくと磁界が弱くなり、再度近づいてピークに達することで、1回転したという事(1Hz)が分かります。リニアエンコーダーの場合は、帯状のスケールテープに等間隔でN極とS極が交互に配置されており、そのテープの前を検出部が移動した際に、検出部での磁界の強さの変化をアナログ信号で表し、移動距離などを出力します。例えば、10cmの間隔に10個のS極N極のペアが配置されていれば、検出部でN極、S極と検出すると1Hzとなり、1Hzで1cm、10Hzで10cm移動したことが分かります。

なお、ディスクやテープの一定範囲でのS極、N極の数を増やすことで、精度や分解能を高めることが可能です。

上記のリニアエンコーダーの説明では、「検出部が移動し、テープが固定」になりますが、「検出部が固定、テープを取り付けられたもの(例えば、モーターといった回転体、等々)が移動する」タイプもあります。

磁気式エンコーダーは、他の原理のエンコーダーと比べて、特に下記の強みを持ちます。
■ 水や油、粉塵のある環境でも使用可能、耐環境性に優れている
■ 光学式よりも構造がシンプルで、軽量化、低消費電力が可能
■ 振動、衝撃に強い

上記の強みを持つため、特に劣悪な環境での使用にはその優位性を発揮します。磁気式エンコーダーの製品については、下記のリンクよりご確認いただけます。もし不明な点などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

磁気式エンコーダーについて