HAYASHI REPIC

特性グラフの読み取り方

下記グラフは弊社標準品電子クーラーTKG-311-130の特性グラフです。

※グラフは当社実験値であり、保証値ではありません。
※温度差 = 周囲温度 - 冷却板温度

このグラフは無負荷条件での特性を示しています。
グラフからは、電子クーラーを駆動した際の冷却板温度もしくは吸熱量を求めることができます。

  • 冷却板温度とは、そのままの意味で電子クーラーの冷却板温度となります。あくまで冷却板の温度となるため、必ずしも冷却板へ接触した対象全体が同じ温度になるわけではありません。
  • 吸熱量とは、冷却板表面から吸熱できる熱量のことであり、冷却板へ接触している対象(外気含む)の熱をどの程度吸収できるかを表しています。これは外気の温度と、冷却板の温度により変動します。
  • 無負荷条件とは、冷却板への外部からの熱流入が0Wのことを言います。この条件の時、電子クーラーを駆動した際に周囲温度(25℃時)と冷却板温度の差が0℃になる値を最大吸熱量と言います。

例として下記条件でのグラフの読み取り方を考えます。

条件1:周囲温度25℃、発熱量が10Wの対象を冷却した時の冷却板温度を求めたい場合。

図1:上記条件での電子クーラーと温調対象の図解

特性グラフから周囲温度25℃はピンクのラインに該当し、10W発熱している対象に対し、電子クーラーの吸熱量が10Wになる場合に冷却できる温度が最大値となります。
グラフ上の縦軸10Wから平行線を引いた交点から、温度差は約29℃。

グラフ2:条件1でのグラフの読み取り方

図1では冷却板は全面が対象に覆われているため大気中からの熱流入は無いと仮定し、
「温度差 = 周囲温度 - 冷却板温度」 から、冷却板温度 = 周囲温度(25℃)- 温度差(29℃)となり、 冷却板温度 は-4℃と求めることができます。(実際には様々な要因によりこの値はズレが生じます)

条件2:周囲温度40℃、冷却板温度20℃にした時の吸熱量を求めたい場合。

特性グラフから周囲温度40℃は青のラインに該当し、
温度差 = 周囲温度(40℃) - 冷却板温度(20℃)から、温度差は20℃。
グラフ上の横軸20℃から垂線を引いた交点から、吸熱量は約19Wと求めることができます。

グラフ3:条件2でのグラフの読み取り方

言い換えると、この条件で冷却板温度を20℃に保つためには、冷却板への熱流入が19W以下でなければいけません。
また、条件1と同様に実際には様々な要因によりこの値はズレが生じます。