金属製物体の有無、或いは、距離の検出をするために、誘導型近接センサーがよく利用されています。一般的な誘導型近接センサーは、主に磁界を発生させる検出コイル、検出コイルに流れる高周波電流を作る発振回路、発振回路の発振周波数や振幅の変化を検出する検出回路から構成されており、検出コイルの大きさによって最大検出距離が異なる為、最大検出距離が長いタイプは、センサー自体が大きくなる傾向があります。

また、一般的な誘導型近接センサーは、検知対象の金属の種類が変わると、感度や最大検出距離が変わることがあり、特に、鉄を含む金属と鉄を含まない金属を検知する時に、異なる反応をし、最大検出距離などに影響を与えます。その為、検知対象の金属の種類によって、機器を調整したり、適切なセンサーを選択する必要があります。

そこで、近年、最大検出距離が検知対象の金属の種類に依存しないFactor 1(ファクターワン)技術を搭載した誘導型近接センサーが開発されました。Factor 1搭載の誘導型近接センサーは、鉄を含む金属と鉄を含まない金属の最大検出距離が統一されるので、これにより、検知対象の金属の種類が変わっても、最大検出距離が変わらずに検知することが可能です。また、「動作サイクル周波数(応答周波数)が高い」や「煙や水、油がかかる環境でも使用可能」などといった、一般的な誘導型近接センサーの特徴はそのままなので、より柔軟性の高い使用が可能です。

検知対象物の金属種類が変わっても、最大検出距離が変わらないメリットはたくさんあります。例えば、アルミニウムや銅などといった検知対象物に対しても最大検出距離を確保できるので、より余裕のある距離に設置可能になり、衝突のリスクが減ります。そして、一つのセンサーで様々なアプリケーション(検知対象物の金属種類が異なる場合)に対応可能なので、在庫管理やセンサー交換などといった時間や手間、コストを削減できるだけではなく、生産性の向上にも繋がります。

Factor 1機能搭載の誘導型近接センサーの詳細について、下記のリンクよりご確認いただけます。

Factor 1機能搭載の誘導型近接センサーの詳細について